脱炭素で注目! ビーガンレザースタートアップ4社

脱炭素で注目! ビーガンレザースタートアップ4社

コラム

こんにちは、CHEMBASE編集部です。

世界で注目される化学や素材関連のスタートアップ企業を今後紹介していきたいと思います。

今回はビーガンレザー(サステナブルレザー)を生産する注目スタートアップ4社ご紹介します。

環境問題や倫理の観点からファッション業界では天然皮革いわゆる動物皮からの脱却が進んでおります。世界の温室効果ガスの総排出量のうち、畜産業だけで15%程占めていると言われており、その中でも特に牛からの排出が多く締めております。また、人工皮革はウレタンやポリ塩化ビニルなど石油由来のプラスチックが使用されており、こちらもマイクロプラスチックの問題や環境負荷が高いことからそれを代替できる新素材の開発に各社しのぎを削っております。

Natural Fiber Welding / ビーガンレザー(米)

参照元 https://www.naturalfiberwelding.com/

Natural Fiber Weldingは100%天然由来の素材から作られているビーガンレザーを製造しております。Mirumというブランドでファッション、靴分野に採用が進んでおります。大手アパレルメーカーであるラルフローレンやオールバーズといった名だたるブランドがパートナーとなっています。

また植物由来ということだけでなく、リサイクルも可能であることから循環型社会へ大きく貢献できるイノベーティブな素材であると言えます。

原料は天然ゴム、植物性オイル、コルクなど幅広い材料が使用されているようです。

弊社アメリカ支店の取引先でもあることから、実物を見たことがありますが本物の革のようです!提携先もBMWなどファッション以外の分野にも広がっており、今後日本でも見る機会も出てくるかもしれません。

MycoWorks / キノコ由来レザー(米)

参照元 https://www.mycoworks.com/

MycoWorks社はキノコの菌糸(Mycelium)を利用したサステナブルレザーのメーカーです。

FineMycelium 技術(特許)を用いて菌糸体レザーの弱点である強度・耐久性を高めているようです。
仏エルメスと協働開発/提携を行っており、ハイブランドにも使用可能な高品質な素材であるのがうかがえます。資金調達でも2022年1月のシリーズCで$125M(150億円程度)を調達しており市場の期待の高さが分かります。調達した資金はフルスケールの量産プラント建設に使用されるようで、市場で見かける日も近そうです。

Modern Meadow / 酵母培養レザー(米)

参照元 https://www.modernmeadow.com/

Modern Meadow社は酵母に動物コラーゲン(革の主要タンパク質)に関わる遺伝子を組み込んで培養させることで、天然レザーに近い素材BioFabbricaを製造しております。

世界的に有名なイタリアの繊維および材料サプライヤーであるLimontaとパートナーシップを結んでいるようです。特許取得済みのBio-Alloy™とLimontaの創造性、伝統的な職人技、最先端の材料製造プロセスを組み合わせることで、BioFabbricaは、ブランド独自のパフォーマンスを持った持続可能な材料ソリューションを提供します。 

牛革やワニ革等の再現が可能で、且つ液体から好きな形に製造(培養)できるようです。量産化されているのかは分かりませんが、他社とは違ったアプローチで面白い取り組みです。

ADRIANO DI MARTI / サボテンレザー(墨)

参照元 https://desserto.com.mx/home

最後にご紹介するのはメキシコのADRIANO DI MARTI社です。

同社のヴィーガンレザー「Desserto」はなんとサボテンを原料に使用しております。成熟したサボテンの葉を収穫し、すり潰したものを3日天日干しにして加工。

「Desserto」は触り心地や見た目も本革に遜色なく、色も厚さも必要に応じて変えることができる。耐久性は10年以上とのこと。価格も本革と同じ水準のようで普及しやすい価格帯に抑えられるようです。ハンドバッグやシューズ、アパレル製品などに採用される予定とのことで注目です。

以上ビーガンレザーを生産する注目スタートアップ4社でした!

CHEMBASE編集部

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